“謎の失踪” 中国で一体何が? “世界の警察”トップがなぜ

10/09 20:59
さまざまなニュースの疑問を解明していくコーナー「はてな」。
9日のテーマは、「相次ぐ“謎の失踪” 今、中国で何が?」

記憶に新しいところでいうと、中国のトップ女優、ファン・ビンビンさんが一時、失踪した。
さらに、こんな大物も。
国際的な検査機関のトップ、孟宏偉氏。

人気女優と政界のエリートまでもが、一時失踪し、中国当局によって取り調べを受けているということが発覚した。

日本ではあり得ないことだが、中国では今、何が起きているのか。

8日、中国で放送されていたNHKの海外放送。
すると突然、ニュースの画面が消え、真っ黒に。

この時放送していたのが、ICPO(国際刑事警察機構)の孟宏偉前総裁が行方不明になっている問題のニュースだった。

フランス当局が捜査に乗り出すなど、国際問題となった孟氏の謎の失踪。

中国は、このニュースの一部を突然遮断した。

これは、中国当局が、政治的に敏感な問題ととらえ、意図的に中断させたものとみられている。

相次ぐ謎の失踪。
中国で何が?

世界192の国と地域の警察機関が加盟するICPOの総裁に、2年前、中国人として初めて就任した孟氏。

しかし9月末、中国に一時帰国し、妻に宛てた、刃物の絵文字という謎のメッセージを送ったあと、消息が途絶えていた。

そして8日、中国公安当局は、孟氏が収賄容疑で取り調べを受けていることなどを発表した。

しかし、この事実を明らかにしたのは、失踪から10日以上もたってからのことだった。

これに対し...。
フランス Liberation電子版「中国共産党がインターポールを愚弄(ぐろう)した」

この異例の事態を、中国の国民はどう受け止めているのか。

街の人
「反腐敗は、とてもいいよ。わたしたちとは関わりのない話だけど」
「(拘束は)突然じゃないよ。国はとっくに証拠は把握していたし、いいタイミング」

腐敗を取り締まる当局の姿勢を支持する声の一方で...。

街の人
「この話は言いづらいね。こんな偉い人たちに、われわれは口を出せないよ」
「こうしたことの事実は、本来は公開すべきだと思う。人々に知らせるようにしてほしいです。隠してはいけません」

口にしづらい雰囲気も。

孟氏の拘束の背景について、専門家は...。

神田外語大学・興梠一郎教授
「今回の孟氏は、周永康(側)の人間だと言われていましたよね。自分の地位を狙う敵の派閥の人間。その人間には厳しく当たります」

孟氏は長年にわたり、中国共産党の元最高指導部メンバーだった周永康氏に重用され、公安省次官に抜てきされていた。

ところが、習近平国家主席の政敵として知られる周氏は3年前、収賄などの罪に問われ、無期懲役の判決を受けた。

中国国営テレビは、判決を聞く周永康氏の姿を放映。

現役時代は、黒々としたオールバックだった周氏の髪の毛が、真っ白に変わってしまっていた。

神田外語大学・興梠教授
「中国では、白髪というのは政治家として『終わった』というイメージ。周氏を皆の前で恥をさらさせるということ。一種の見せしめ」

孟氏の摘発については、習近平国家主席の政敵だった周氏の影響力、つまり、背後にある敵対派閥の力を排除することが目的だったと指摘されている。

では、国際社会に波紋を呼んだ謎の失踪。
そこから、中国当局のどんな狙いが見えてくるのか。

脱税により、146億円もの追徴金を命ぜられた中国のトップ女優、ファン・ビンビンさんの場合は...。

神田外語大学・興梠教授
「1つは脅し、連絡がつかせないことで、より恐怖感を与えるというか。ファン・ビンビンはどうしたんだろうとか、小出しに情報を出していって。“謎の失踪”というのが与える威嚇効果(が狙い)」

6月のSNS更新を最後に、消息が途絶えていたビンビンさんだったが、10月に入り、新たな動画がネット上に拡散。

実はこれも、締め付けを図る中国当局の「演出」だという。

神田外語大学・興梠教授
「ちゃんと彼女も払ったんだから、ほかの芸能人も払いなさいよということ」

情報をコントロールすることで恐怖を与え、体制強化を図る狙いだという。

情報をコントロールして体制を図っていくという教授の指摘もあったが、日本でわたしたちが普通にできていることで、中国でできないことがある。

例えば、グーグルの検索、YouTubeはもちろんだが、ツイッターやフェイスブック、LINEなどもSNSの多くが使えない。

国内で認められているSNSもあるが、徹底的に監視されているために、何か政府に批判的なコメントをすると、すぐに削除されたり、最悪の場合、身柄を拘束されてしまうケースもあるもよう。

そこで、次のはてな。
中国に住んでいる人は、実際どうなのか。

北京の高橋宏朋支局長に聞いた。

(中国で生活をするうえで大変なことは?)
日常生活で感じる締め付けというと、何といってもネット規制。
まさに当局のさじ加減で、規制が行われているといった状況。

(生活以外の取材という点ではどうか?)
取材面でいうと、やはり当局による「規制」。
例えば、今、支局のベランダから中継しているが、もし、北京中心部の路上で大きなカメラを構えて照明をつけていれば、職務質問されて、やめさせられるおそれもある。

また、体制批判につながりかねないような人権問題や、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)委員長の訪中などの取材では、現場で外国メディアとわかると、数時間にわたって事情聴取されることもあり、事実上の軟禁状態となる。

特に地方では、宿泊先の部屋にも当局者がやって来たり、街から出るまでずっと追いかけ回されたりすることもある。
現場の当局者が、外国メディアの報道を過度に恐れているような節もあり、言い換えれば、それだけ国や党の上部機関による締め付けが厳しいことがうかがえる。

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