「怪文書」が一転、「存在を確認」

06/16 01:23
加計学園の獣医学部新設をめぐる文書について、松野文部科学相は、「確認できなかった」としてきた前回の調査結果から一転、文書の存在があったことを明らかにし、「前回確認できなかった文書の存在が、明らかになったことは、大変申し訳なく...」と謝罪した。
松野文科相は、「19の文書のうち、14の文書については、同内容の文書の存在が確認できましたが、2つの文書については、存在が確認できなかったとの調査結果が得られた」と述べた。
存在が確認された14の文書の中には、「総理のご意向」、「官邸の最高レベルが言っている」といった、内閣府の担当者による発言が記された文書も入っていた。
気になるのは、その言葉の真意。
記者は、職員が当時、どう受け止めたのか、厳しく問い詰めた。
松野文科相は「このメモが作成されている以上は、その場において、そういった発言があったんだろうと」と述べた。
文科省の義本総括審議官は、「(言われた時に、課長補佐自身は、どう受け止めたか?)文字通り、真意はわからない。(言われた課長補佐自身は、どう感じたのか?)かなり、官邸の中の、総理までのレベルに話がいくのではと感じたことはあるかもしれないが、それがどういう意図、あるいは、意味についてはわからなかったということ」と述べた。
当初、「怪文書」と切り捨てた菅官房長官は、「(長官は、一連の文書は怪文書と言っていたが、この認識を撤回する考えはあるか?)当初、報道された文書等については、出所や入手経路が不明瞭なものであって、信ぴょう性もよくわからない文書であると思っている。そこは、『不可解な文書』であると。(『怪文書』という認識は変更されない?)怪文書という言葉だけが独り歩きしてる」と述べた。
自民党の奇策。
委員会での採決を省略する中間報告によって、「テロ等準備罪」を新設する改正組織犯罪処罰法が成立してから6時間後の「加計文書」の存在発表。
首相官邸周辺を取材する、時事通信社 特別解説委員の田崎史郎氏は、「今回の公表と、あす行う参院予算委における集中審議で幕引きを図ろうとしている。国会を閉じることで、野党から追及を受ける場はなくなる」と話した。
再調査へのきっかけを作った前川前文科事務次官は、今回の結果を受け、コメントを発表した。
前川前次官は、コメントの中で「もともとあった文書が、『あった』と確認されたのは当然のこと」、「国家戦略特区の制度の主務官庁は内閣府です。責任を文科省に押しつけるなど、言語道断です」と、内閣府に具体的な説明を求めている。
文科省に圧力をかけたとされる内閣府は。
山本地方創生相は「徹夜しても、今晩中には何とかやって、あすの朝には結果を発表したい」と述べた。
闇に葬られる可能性もあった文書。
存在が確認されたことで、実際何があったのかを明らかにする、スタートラインに立ったといえる。
果たして、文書の保存や管理は適切だったのか。
公文書管理法などで定められているが、行政機関での文書の管理の実態を調べるため、東京都内の区役所としては唯一、公文書館を持つ、東京・板橋区役所を訪ねた。
ここで公文書が作成される際には、一覧表に従い、まず、どのような文書を作るのかを選ぶ。
1つの部署だけでも、400を超える分類の中から選んでいる。
そうすると、表の規定に従い、文書の保存期間が、1年から10年までの間で決まる。
では、メモのような文書は。
板橋区総務部・平岩俊二課長は、「公務員が作成するものは、全て公文書になります。例えば、こういうメモ書きみたいなものも公文書」と話した。
たった一言書いたメモも、公文書の1つだという。
しかし、平岩課長は「保存年数は決まっていませんので、必要がなくなれば、廃棄するようになります」と話した。
公文書として保存するのは、起案書類。
上司の決裁が必要な書類に限られるという。
板橋区の訓令には、「軽易な文書等で職務上作成し、1年を超えて保存する必要のない文書等にあっては、随時廃棄することができる」と書かれている。
さらに、廃棄するとき、上司の許可等は必要なく、職員の裁量で決まるという。
板橋区では、毎年120万件の書類が生まれるが、最終的に公文書館で保存されるのは、1年間で1,000件程度と、0.1%にも満たないのが現実だった。
情報公開クリアリングハウスの三木 由希子さんは、「出てきたのはよかったと思っているんですけど、きちんと公的に管理されていないものとして、例外的に見つけましたと言っているにすぎない報告書なんです」と話した。
今回、存在が確認された文科省の文書。
どう扱われるべきだったのか。
都内で行政機関に勤める男性は、「保存をかけるほどの文書ではない...。現在の状況を伝えているだけで、その状況が伝わればそれでいい。状況が終わったら、消去する類いの文書...」と語った。
別の行政機関の課長は、「覚えておくべき数字もないし、保存するほどの書類ではない」と語った。
取材に対して、いずれの行政機関でも、今回の文書は廃棄されるレベルのものだったという。
もし、今回の文書が消去されていれば、官邸の介入があったかどうかの検証は、スタートラインにすら立てなかったかもしれない。
三木さんは「法律やシステムを変えただけでは、この問題は解決しない。そこで、政府側が『こういう記録は、残っていて当然だ』というふうに、権力側が言えない限りは、今回は見つかった以上の話にならない」と話した。
そのときは必要のないと思われる文書でも、あとから重要性が明らかになるものもある。
板橋区にとって、重要な書類がつい最近見つかった。
それが、板橋町から板橋区に変わった時、電話の名義が変わったという通知。
実は、町から区に変わったことを示す書類は、この電話番号変更通知のみしか残っていなかった。
事実上の会期末を迎える16日、参議院では、安倍首相が出席する集中審議が行われることが決まっている。

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